ワンズマガジン

ドッグトレーナーに聞く! ワンコと仲良く暮らすための心得 Vol.6


一緒にお散歩したり、ドッグカフェでお茶をしたり、おでかけしたり、ワンコといろいろなことをしたい。そうは思っていても、ワンコがほかのワンコに吠えたりしないか、ほかの飼い主さんに飛びかかったりしないか心配な方もいるのではないでしょうか。そこで、どうすればワンコといろいろなことをして仲良く暮らせるようになるのか、数々のワンコたちのしつけを行ってきたドッグトレーナーの西原先生に、お話を伺ってみました。


リードを使って信頼関係を育もう


リードで意思を伝える

――天罰方式以外にワンコとの信頼関係を築く方法はありますか?

リードを使った方法があります。信頼関係が飼い主さんと築けていないワンコというのは、リードに従おうと思っていないのであちらこちら動き回ります。よくワンコに引っ張られている飼い主さんを見かけますが、それが典型的な例だと言えるでしょう。
もし、信頼関係があれば、リードに従おうと、必死にリードを持っている飼い主さんのことを見てきます。つまりリードを使って、あなたの意思をしっかりとワンコに伝えてあげるようになることは、信頼関係を深めることにつながるのです。
 散歩をしていて急に走ってどこかへ行こうとしているワンコを、リードを思いっきり引っ張って、自分のところへ引き寄せようとしている飼い主さんをよく見かけます。気持ちはわかりますが、これはやめた方がよいでしょう。引っ張るとワンコが引っ張り返してしまい、綱引きごっこなのかなと勘違いしてしまうからです。
 ワンコがどこかへ行こうとしたら、引っ張るのではなく、そこから1歩も動かずに「好き勝手にあるかないでね」という意思をしっかりと伝えることです。
 動けなくなったワンコは最初、リード引っ張って暴れるでしょう。しかし、リードを持っている人が動かなければ自分は動けないと理解すれば飼い主さんのそばに戻ってきます。この戻ってくるまで待つことが大切です。中途半端にやめてしまうと意味がありません。


できるだけ若いうちにトレーニングを

――結構大変ですよね

以前このトレーニングを成犬に対して行っていた方がいたのですが、近所の方から、ワンコを虐待していると批難されたそうです。確かに吠えて暴れて大変だったそうで、はたから見たらそう思われるかもしれません。しかし、その方はじっと我慢して、大人しくなるまで待ったそうで、それからというもの、リードの指示に徐々に従うようになったといいます。
 大変かもしれませんが、ワンコとよりよい関係を築くための通過儀礼だと思い、ぜひやり遂げてください。
 このような苦労をできるだけ少なくするためにも1歳半までの間にこのような信頼関係を築くためのトレーニングをやっておくとよいでしょう。年齢を重ね体が大きくなると力も強くなるので、飼い主さんも大変ですし、やはり若いときの方が、変なこだわりも少なく理解しやすいです。
 天罰方式もそうですが、ワンコが可愛そうと思うかもしれませんし、ワンコに嫌われるのではと思う方もいるかもしれませんが、信頼関係があれば、決してワンコは飼い主のことを嫌いにはならないので心配せずに行ってください。

Vol.7につづく

PROFILE
西原明(にしはら・あきら)
昭和31年2月14日生まれ。中学時代に、警察犬訓練所の存在を知り、高校を中退し、犬の訓練士の世界へ。全国の訓練所で修業を重ね西原警察犬訓練場を設立後、現在の西原ドッグトレーニングを開講。JKC本部競技会団体2014年、2015年二連覇を果たしたチームの指導を行うなど数々の実績を上げ、テレビ番組出演や映画のドッグトレーナーとしても活躍。また、競技用のトレーニングだけでなく、人と犬との信頼関係の構築に重点をおいたしつけ教室も行っている。
西原ドッグスクールHP:http://www6.plala.or.jp/ndshp/

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