今年の1月から利用が始まったマイナンバー。国民一人ひとりに番号が振りあてられていろいろと活用される予定なのだとか。ワンコにはマイナンバーは付与されませんが、似たように、ワンコに個別の番号を与えられることができるのを知っていますか?
番号なんて別に要らないよとおっしゃる方もいるかもしれませんが、この番号を取得しておくことで、災害時や散歩中などにワンコとはぐれてしまったときに役立ちます。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は、ワンコのマイナンバー(?)マイクロチップのお話をしたいと思います。
マイクロチップってなんなの?
まずは、マイクロチップとは何なのかといったところからお話ししましょう。マイクロチップとはワンコに限らず、さまざまなペットがそれぞれ誰なのかを識別することを目的とした電子標識器具です。
ワンコの場合、首の後ろに埋め込みます。電子機器を埋め込むといっても手術をして……とかそんな大げさなものではありません。マイクロチップを取り扱っているメーカーはいろいろありますがどれもが大きさなどの基準は同じで、円筒状で直径約2ミリ、全長約12ミリととても小さなものです。専用の注射器で皮下注射するだけなので、装着時の体への負担はほとんどないと言われています。マイクロチップ本体は電池が不要な仕組みになっているので、半永久的に使用できるので取り替えなども基本的に必要ありません。マイクロチップの埋め込みは動物病院などでできます。費用は病院によって異なるのですが、全部で数千円から一万円程度といったところでしょうか。
マイクロチップには、個別のID番号のみが記載されており、専用のリーダーで15桁の数字を読み取ったあと、日本獣医師会のデータベースにアクセスして照合することで、事前に登録していた飼い主さんの名前や住所、連絡先などの個人情報が分かる仕組みになっています。
気になるのは、「そんなもの入れて、ワンコは大丈夫なの?」というところでしょうが、マイクロチップの表面の素材は体が異物と認識しにくい生体適合ガラスが使われていますし、ズレ防止の加工も施されている。耐久年数は最低でも30年なので取り換えが必要になることはまずありません。装着も一瞬で体への負担は少ないので、シニアのワンコでも装着できます。
使い続けることによる副作用に関しては、日本獣医師会のホームページに「マイクロチップの埋め込みによる動物への障害はほとんどありません。日本国内で、動物体内に埋め込んだマイクロチップの副作用、ショック症状等についての報告は、今までに1件も寄せられておりません」との記載があります(2016年1月現在)。よっぽど自信がないと1件も寄せられていないとまでは書かないと思うので、おそらくは大丈夫なのではないでしょうか。
ワンコと離れ離れにならないためにも装着を
では、マイクロチップを埋め込んだことによるメリットについてお話ししていきます。最大のメリットは最初にも書きましたが、なんといっても災害などでワンコと離れ離れになったときに見つかりやすいという点です。マイクロチップのデータを読み取るリーダーを所持しているのは、動物病院や各自治体の動物愛護センター、保健所などです。もしもワンコとはぐれてしまい、それらの施設でワンコが保護されたら、リーダーでチェックされ、身元が分かるという仕組みです。災害時には、緊急災害動物救援本部が発足されますが、もちろん同本部もリーダーは所有しており、実際、東日本大震災のときもチェックされたそうです。
「身元を判別するためだったら迷子札や犬鑑札でも良いのでは?」という意見もあるかもしれませんが、それらは、首輪が取れてしまったり、札が劣化して外れてしまったりという危険性もあります。その点、マイクロチップは一度つけたらよっぽどのことがない限り取れないので、より安心と言えるでしょう。
また、メリットとして一つ付け加えておくと、マイクロチップを付けていたら、割引になるペット保険もあるようです。