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嘱託警察犬って知っていますか?


 2010年に公開された映画「きな子~見習い警察犬の物語」のモデルとなった雌のラブラドールレトリバーのきな子が、20日の夕方、老衰のため14歳10カ月余りで息を引き取り、23日香川県の丸亀市内の斎場で、お別れの会が開かれました。

 きな子は警察犬になるため、2004年から試験を受けたが落ち続け、障害物を倒すなどのドジぶりを香川の瀬戸内海放送のテレビ番組で紹介されて以来、「ズッコケ見習い警察犬」の愛称で地元住民からの人気を集めていました。10年11月にあった7度目の挑戦で見事に合格。嘱託警察犬として活躍し、13年春に引退しました。

 映画もかなり話題になりましたし、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

 さて、この嘱託警察犬を皆さんは知っていますか? 今回は嘱託警察犬についてお話ししていこうと思います。

診査に合格すれば、あなたのワンコも警察犬に

 警察犬には、各都道府県の警視庁に所属しているワンコと、民間の人達が飼育管理し、いざとなったときに出動する嘱託警察犬の二種類があります。

 嘱託警察犬になるには、まずは訓練士の方、もしくは自分で訓練を施し、毎年1回、各都道府県の警察で開催される嘱託警察犬審査会で合格する必要があります。任期は1年で、家族、もしくは訓練士が指導手となり嘱託犬と一緒になって、行方不明の方の捜索にあたったり、なくしたものを探したりといった任務にあたります。以前は嘱託犬や候補犬は指導員に預けられたままというケースも多かったようですが、現在は家族と暮らし、訓練と出動の時だけ指導員と出かけるワンコが増えてきているようです。ただしいずれにしても、事件がいつ起きるかわからないので依頼がいつあるのかは、わかりません。そのためなるべくいつでもすぐに出動できるように待機はしておく必要があります。

――深刻な警察犬不足

 毎日新聞2016年1月6日付の記事によると、2014年に、出動件数が全国で9329件と05年から34%増えたのに引き換え警察犬の数は減少しており、14年は1351頭と過去10年で最少となり、警察犬不足が深刻なようです。

 捜査協力の謝礼も出るようですが、そこまで高額ではないため、どちらかと言えば、町のためのボランティアといった側面が強く、なかなか大変なのは間違いありません。

 ただし、ワンコの力は捜査、捜索活動には欠かせません。

 きな子のような人気警察犬が生まれて、これから警察犬を目指すワンコが増えることを願っています。

最後に、きな子のご冥福をスタッフ一同心よりお祈り申し上げます。


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