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トリミング1


 愛犬のトリミングはワンコの健康管理上、欠かせないケアです。中にはいつもプロにお任せしているからという人もいますが、日々のお手入れもとても大事。そこでトータルペットケア、株式会社マインズのベテラントリマーの堀川寛子さんと青山京子さんにワンコのトリミングについてお話を伺いました。

トリミングには危険がいっぱい

 流行のトリミングをしてもらうと可愛さ倍増。散歩途中に「可愛いね」と褒められでもするとやはり嬉しくなってしまうものです。もちろん、カットしてもらったワンコ自身も身軽になり、肌もスッキリして、気持ちいいはずです。しかし、せっかくのケアが台無しになるほどにトリミングには多くの危険があるので、ご家庭でのトリミングは注意をしてくださいと警鐘を鳴らすのはトリマーの堀川さんです。

 まず、トリミングをする場所です。ワンコの毛を片付けやすい場所というのを優先しがちですが、ここで一番にして欲しいのはワンコが落ち着ける場所ということです。これは、トリミング中にワンコをおとなしくさせておく必要があるからです。理想的にはワンコが集中しやすい、人の出入りが少ない場所です。トリミングしやすいように高さを調整できる台を用意しておくといいでしょう。ただ、ワンコが台の上で動いてはさみやバリカンなどを踏んでしまうと危ないので、台の上にはなにも置かないようにしましょう。

バリカン

 素人のトリミングで怖いのがバリカンの扱いです。とくに足裏の毛などはプロでも手を焼くといいます。足の爪のキワにバリカンの刃があたってしまうと出血してしまうこともあるので要注意です。ひとたびワンコを傷つけると、トリミングそのものを嫌いになってしまうケースもあるので、やはり繊細な部分はプロのお任せしたいところです。また傷つけた場合に備えて、止血の布や軟膏などを用意しておくといいでしょう。

はさみ

 口周りのトリミングにははさみを用いますが、ワンコの口元に持っていったとたん、舌を出して刃をなめてしまうという事故もあるそうです。はさみを口元に持っていく場合は、左手指でワンコの舌を隠すようにしてカットするようにしましょう。

爪切り

 人の爪同様、日ごとに伸びるので定期的にカットする必要があります。これを放置すると巻き爪となり、やがて巻き込んだ爪で皮膚を痛めてしまいます。傷めた皮膚が化膿して手術というケースも少なくありません。外で飼っているワンコや力強く走るワンコは爪が伸びにくいので、それほど神経質になる必要はありませんが、室内犬の場合、爪を立てる機会が少ない分、爪が伸びやすいので、まめにチェックするようにしましょう。

シャンプー

 皮膚病予防にシャンプーは欠かせません。中には人間同様、毎日でもシャンプーしてあげたいという人がいたり、そこまで極端でなくとも、体臭がすごいので1週間に一回はという方もいるようです。しかし、そのどちらもワンコの皮膚の免疫作用のセラミドを取り除き過ぎてしまい、皮膚バリアを弱めてしまうのです。シャンプーは2週間に1回・トリミングは1ヶ月に1回が理想的です。

 また、老犬や病中、病後のワンコにはシャンプーもシャワーも大きな負担となります。この場合はシャワー不要のドライシャンプーなどでケアするのがお勧めです。

ブラッシング

 ブラッシングは毛玉のほつれや汚れをとるだけでなく、マッサージ効果もあるので日課としましょう。毛の生え変わる春や秋の換毛期はことさらで、ブラッシングの回数は多ければ多いほどいいといわれています。ただし、外で飼っているワンコの場合、暑さや寒さから身を守るための毛もあるので、獣医やトリマーなど専門家に相談しておくといいでしょう。ブラッシングはシャンプーの浸透を早める効果もあるといいます。

次回はプロのトリミングのメリットについて紹介します。


堀川寛子さん
株式会社マインズ 代表取締役
経験年数21年
モットー
飼主様もスタッフも笑顔に溢れるトリミングを目指しています。

青山京子さん
株式会社マインズ 取締役
経験年数20年
モットー
優しく、丁寧なトリミングはもちろん 、お客様もわんちゃんも喜んで来店してくれるお店を目指しています。


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