ワンズマガジン

ダニの予防と対策2


塗り薬と飲み薬

 ダニ予防にはブラッシングが効果的ですが、より用心するならば、薬剤投与を考えてもいいでしょう。塗り薬や服用する薬も数多く市販されています。ただし、市販されている薬は医薬部外品ですので、効果や安全性を確認する必要があります。また、即効性や持続性が期待できないものが市場には入り乱れているのが現状ですから、しっかりと見極めなければなりません。言うまでもなく、薬の効き目は個体差があります。つまりお隣のワンコに効いたからわが家のワンコにもと期待できないということです。悪くするとワンコの体質に合わないこともありますので、かかりつけの獣医などに相談するのが一番といえるでしょう。

 獣医院が処方する薬は、それぞれのワンコの体調や体質に合せて調合していますので、市販薬に比べ効果が期待できます。なるほど割高感はあるかもしれませんが、子犬や老犬、病中、病後のワンコでしたら獣医が処方する薬がお勧めでしょう。

シャンプー

 シャンプーは、ノミ・ダニ被害の予防のみならず、ワンコの体を清潔な状態に保つためには必要不可欠なものです。ただし、シャンプーのしすぎは皮膚や被毛を痛めてしまいますので、2、3週間に1度程度を目安にするといいでしょう。それでも匂いや汚れ、あるいは皮膚の状態が気になるようでしたら、濡れタオルなどで体を拭いてあげてください。

ブラッシング

 ブラッシングはダニを発見するだけでなく蚊、ノミなどの害虫による炎症や皮膚の変化に気づくいいきっかけになります。夏場は出きるだけ時間をかけて丁寧なブラッシングをしてあげるといいでしょう。使用ブラシはノミ取り専用のような目の細かいものをお勧めします。皮膚が炎症を起こしているようでしたら、ブラッシングで皮膚をさらに傷めてしまうこともあります。速やかに獣医に見てもらいましょう。

洋服を着せる

 ダニを予防するには出きるだけ露出部分を減らすのが一番です。近年では、防ダニ加工のペット服も出回っていますので、里山歩きなどを計画している場合には揃えてあげてください。野山や草むらを散策すればダニや蚊などの虫や草木の汚れもつきますので、洗濯や日干しをまめにして、清潔な状態のものを着せてあげるようにしましょう。

ワンコのテリトリーを清潔にする

 ダニなどの害虫は、屋外の草むらだけでなく、私たちの生活圏にも進出しているといわれています。ですからワンコが長時間過ごす寝床などは、念入りにチェックしてあげてください。実はワンコの生活環境はダニやノミにとっても生活しやすいのです。

 また、ワンコが使う毛布やクッションは定期的に洗濯するようにしましょう。その際、60度くらいの高温の湯を使用し、10分以上かけて洗濯するのが理想です。さらに、乾燥機などにかけると、高温に弱いダニはほとんど死滅するといわれています。

 言うまでもなく、日中の陽の中に干すのも大きな効果が期待できます。天気の良い日は、ワンコの身の回りの物を外に干すとワンコも大喜びしますよ。

暑い日が続きますが日々の掃除、まめなチェックがワンコを守ると心得てがんばってみてください。

松本慶太院長プロフィール

 北里大学獣医学部卒業を卒業後、東京都内の大手動物病院で20数年間勤務後、埼玉県小手指にあるコジマ動物病院に勤務。平成21年10月より院長に就任した。臨床経験30年のベテラン医師だ。同医院は毎月第一日曜日と正月以外は診療を行っており、苦しい、辛いといった言葉を話せないワンコの飼い主にとっては、ありがたい診療システムを誇っている。また、スタッフと飼い主が和気藹々のアットホームな医院内は、飼い主はもとより、ペットもリラックスできる雰囲気にあふれている。
 現在、6人の獣医師が交代制で勤務し、オペは安全・安心の2~3人のチーム制。スタッフを積極的にセミナーや勉強会に参加させ、最新の医療技術を採り入れることにも余念がない。同医院が目指すのは、ペットを媒介とした飼い主同士が集う地域コミュニティーの拠点となることだという。


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