さて、前回いざというときのためのペット信託Ⓡについて教えてもらいました。今回は、もう少し、ペット信託®について、お話をお聞きしてみようと思います。
――遺言書を書いておけばいいというわけではないんですか?
遺言書を作る場合は、文面や相続人について考慮し、財産をしっかり把握して書く必要があります。じゃないと結構もめますよ。相続でもめるって、なんだかお金持ちの話だと思われるかもしれませんが、実はそうでもないんですよ。1000万円以下でもめているケースもよくあるんです。
――信託にしとけばもめないんですか?
信託の最大の特徴は、分別管理です。たとえば、飼い主さんが亡くなったとき、相続人が、「うちのばあさん、自分のワンコに150万信託したらしいぞ。相続財産だろ。戻してもらって分けなくちゃね」となったときに、分別管理なので、相続財産から外れるんです。相続人が申し立てしても戻せないんです。ペット信託®は公正証書でつくるわけですから力があるんです。
――里親ってどういう人がなるのでしょうか?
愛護団体と組んでやっているので、里親の選別はしっかりと行っていますので、安心してください。経済的な問題、家族構成なども含めてきちんとした審査がなされています。
――信託を考える場合はどうすればよいですか?
もちろん、私にご相談していただいても構いませんし、私も加盟する「ペット信託®」の啓蒙活動をしている動物法務士が集まるFASA(一般社団法人ファミリーアニマル支援協会)のホームページをご覧になってみてはいかがでしょうか。
――ワンコのしつけができていないと信託できないということもあるのでしょうか?
愛護団体さんと相談しています。「ちょっとこの飼い方だと里親さんにはすぐ渡せないよね」というときは、信託を組む場合、再度トレーニングのための費用がかかる場合があります。里親さんに可愛がってもらえるよう、最低限のしつけはしておいてほしいというのが本音ですね。
――しつけは、最終的には、ワンコのためになるということですね。今回は、ありがとうございました。また、新しいペット信託®の動きがありましたら、お話しをお聞かせください。
こちらこそ、よろしくお願いします。
1954年神奈川県茅ケ崎市生まれ。上智大学文学部仏文学科卒業後、日本経済社へ入社。
広告営業として、住宅・不動産、流通、IT、官公庁など多くの企業、団体のコミュニケーション活動をサポート。その後、住宅展示場の企画・運営会社で新設展示場のコンセプト開発や地権者の相続問題、ハウスメーカーとの契約業務、開発許可に伴う行政折衝などの案件を手がけ、実績は10年で1000件を超える。
元来、犬好きであり、ドッグライフコーディネーターとして愛犬家シニアへのセカンドライフプランなどのファイナンシャル・アドバイスやペットの相続問題などの法的支援を行うことで愛犬との豊かな暮らしを守る活動を続けている。一般社団法人 エンディングメッセージ普及協会会員
ホームページ:http://doglife-yasuda-office.com/