さて、お伝えしていたように、今回から二回にわけて9月23日に行われた「動物と人との未来を考えるサミット~動物虐待のない世界へ」の模様をお伝えしようと思います。
動物、ペットにより良い社会をつくるためには、ペットを飼っている議員を増やすことが大切!
まずは最初に松野頼久衆院議員(民進党)があいさつに立ちました。松野衆院議員は、国会でも動物愛護について取り上げたり、現行の動物愛護法の改正にも携わった経験もお持ちだったりと動物愛護に、非常に関心の高い方です。
動物虐待のきちんとした基準が定められていない問題や保健所での殺処分の問題など多くの問題があることを語った上で次の動物愛護法改正に向けての意気込みを話していました。
そのあとの竜之介動物病院の德田竜之介院長が講演の中で、「実際に自分が動物を飼っているか、いないかで、その人がペット、動物のために実際に行動するかどうかが随分と変わってくる。熊本が動物愛護で先んじているのは、市長が動物を飼っていることが大きく関わっていると思う。行政の人たちがもっと動物を飼うべきだと思う」と話していましたが、なるほど松野衆院議員のような動物愛護の問題やよりペットを飼いやすい世の中について考えてくれる議員を増やすためには、選挙でその人がペットを飼っているのかは、必須確認事項なのかも知れません。
ペットショップに並ぶ子犬はかわいいけれど……
徳田院長が講演したあと(詳細は前回の記事を)動物に対する犯罪を扱っているシェリーヒックス巡査部長とデニーローウェル裁判官が「米国動物虐待防止の取り組み」と題して講演を行いました。
サンフランシスコも昔は動物虐待が普通に行われていた地域でしたが、声を上げ続け、動物、ペットを守っていくための制度が出来上がっていったと言います。シェリー巡査はその中で、動物に対する残虐的な行為をする人は、家庭内DVや年寄り、子どもに対しても残虐的な行為を行う危険性が高い。動物を守るというだけでなく、そのような観点からも動物虐待をきちんと法律で取り締まることが必要なのだとおっしゃっていました。
確かに、そのようなことをしっかりと述べていけば、ペットのいない人も関心をむけやすくなるのかもしれません。
デニー裁判官は、たくさんの動物に関する事件を扱ってきて分かったことは、問題行動をするワンコは、子どものころに、愛情を受けていないなどなにかしら幼少期の育て方に問題のあったワンコが、大きくなって問題を起こすケースが多いように思うと語っていました。
また、サンフランシスコでは、まるで工場で機械が部品を作り出すように繰り返し妊娠させられ子どもを産み続けているワンコの問題が非常に深刻だったといいます。当然生まれた子は、親から愛情をほとんど受けないまま、そうそうにペットショップに……。
しかし今では、サンフランシスコでは、もはやペットショップで子犬を売るのは恥だという意識が浸透しているそうです。
一方、日本ではまだその辺の意識がサンフランシスコと比べ低く、シェリー巡査は、日本のペットショップを見て、まだ年端もいかぬ子犬や子猫が売られている状況に驚いたそうです。
この問題は、NPO法人アースエイドソサエティを設立し、動物愛護団体への支援も積極的に行っているデヴィ夫人、料理研究家で、衆院議員も務めたことのある藤野真紀子さん、竜之介動物病院の德田院長、動物愛護を考える茨城県民ネットワークCAPIN代表理事の鶴田真子美さん、環境省動物愛護管理室室長の則久雅司さんがパネリスト、日本動物虐待防止協会代表理事の藤村晃子さんがコーディネーターを務めたパネルディスカッションでも話し合われました。
この問題に対してデヴィ夫人が、ブリーダーを免許制にするべきだと述べたほか、議論に飛び入りで加わったシェリー巡査からは「見世物のように子犬、子猫をショーウインドーに出しているような店からは買わないことを徹底することだ。生後8周齢は最低限の期間であって(8周齢=56日間の子犬の売買禁止)12週まではできれば親からは離さない方がいい。まずはSNSなどで、この問題をどんどんと広めていくことだ」と語っていました。
そのほかさまざまな問題に対してパネリストの方々、そして会場からも、闊達な意見が飛び交っていました。
動物の虐待、子犬の売買についてなど、いろいろと考えさせられることが多かった、今回のサミット。来週もこのサミット関連の情報をお伝えしたいと思います。
ちなみに、皆さんは9月23日が何の日か知っていますか? 正解は次週に。