これまで、もし大震災が起きたときのために備えておきたい物や知っておきたい知識について話してきました。最後に、では大震災が起きた瞬間にどうすればよいのか。
前回、同行避難について語っていただいた久保範明氏にお話しを聞いてみました。
――家の中でワンコと過ごしていたときに地震が起きたとします。そのときまずは何をすればよいでしょうか。
ワンコは非常に勘が鋭く、何かとんでもないことが起きていると感じて不安がったり、怯えたり、パニックになったりしやすい生き物です。もし、近くにいるのであれば、すぐに駆け寄って抱きしめてあげ、揺れがおさまるまで、机の下などの身を隠せるところに、一緒になって身をひそめるのが良いと思います。
ただし、ここで気をつけなければならないのは、自分の身を守ることを優先的に考えることです。ワンコがいないといって、家の中を探しまわるというのは非常に危険です。揺れが落ち着くまでは身を隠しておきましょう。
――まずは火を消すなんていう話もありますが。
よっぽど古いコンロでなければ、大体のコンロに地震が起きたときに自動的に火が消える機能がついています。家のものがどうなのかはきちんと調べておいた方が良いですね。揺れている状態で熱くなったフライパン、鍋、油などの近くに寄るのは危険です。まずは机の下などに身を隠してください。
――揺れが落ち着いた後は?
しばらくじっとして、余震などもなくなったら、非難袋などを持って、避難場所へと向かってください。このとき、割れて飛び散った皿やガラスなどの破片で足を怪我しないように注意してください。
――散歩中はどうすれば良いのでしょうか。
まずは、とにかくワンコを抱き寄せ、落ち着かせることです。おやつなどを持っているのであれば、与えるのも良いと思います。
場所にもよります。ブロック塀や木など倒れそうなものが近くにある場合などはすぐにそこから立ち去った方が良いでしょう。ガラスの落下などの心配もあるので、強化ガラスなどが使われていなさそうな古いビルやマンションなどの傍も危険ですので注意を払った方が良いと思います。もしもそのようなものがないのであれば、その場で揺れがおさまるのを待ち、避難場所へと移動してください。小さなガラスの破片などでワンコが足を怪我しないように、もし可能であるならば抱っこして移動してあげるのが良いのではないでしょうか。
――ほかに何か気をつけることはありますか?
これはなかなか難しいことかもしれませんが、できるだけ飼い主さんが落ち着いて行動することが大切です。叫んだり慌てふためいたりすれば、ワンコはパニック状態になってしまいます。心の中まで落ち着くのは無理なことかもしれませんが、ワンコのために、不安や恐怖をぐっとこらえ、表面上は落ち着いて接してあげてください。
大震災が起きたときの対処方法についてはひとまず今回はこれまでです。大切なワンコの命を守るため、何より飼い主さん自身の命を守るため、防災についてはこれからもサイトで取り上げていきたいと思っておりますので、ご期待ください。