株式会社万福が5月1日、東京都港区の品川プリンスNタワーでペット防災指導員の認定試験が初めて行われます。そこで万福の横山大典代表取締役社長にインタビューをしました。今回は、その第2回です。前回までは、このままでは、災害時にペットが逃げる場所がないとおっしゃっていた横山社長。今回は、この試験の目的や具体的な認定試験の内容などについてお聞きしました。
――ペットの防災まで考えている方は少ないのでしょうか。
少ないですね。そもそも飼い主さんにしたって、地震が起きたときに、ペットをどうすればいいのか考えてる人は少ないのが現状です。ましてや、同行避難を徹底すべきだと声をあげる人など、ほとんどいません。「震災時にどちらに逃げていいか知っていますか?」と聞いても、「近所の学校かなー」とあいまいな人がほとんどですし、「あなたが行く避難所は一緒にわんこを連れていっていいのですか」と聞くと大体が「知らない」という返事が返ってきます。
内閣府が、南海トラフ巨大地震が30年間で70パーセント起きるといっています。もちろん起きないかもしれないですし、ないのが一番です。しかし、備えをこのまま足踏みしたままでいいのでしょうか。このままでは、大好きなワンコがいざというときに大きな悲劇に見舞われる可能性は高いと言わざるをえません。
――この認定の目的は?
認定試験を行うことで、最低限必要な知識を知っていて防災意識の高い人たちを増やし、その方々が先頭に立って、声をあげたり、知識を啓蒙したりして、今のままでは、ペットが震災時にほったらかしになりかねない現状を変えていくのが目的です。
――具体的には何をするのですか?
漢検、英検、そのほか多くの検定試験のように、事前に勉強してきてもらい、その知識を図るタイプの試験ではありません。その場に来てもらい、みんなで防災について学び、ともに考えていきます。
まず今と昔のペットと飼い主さんの関係性の違いをもう一度しっかりと把握してもらいます。そして、災害の事前準備、平時にしておくこと、災害時にすることといった基本的な防災の知識を学習します。
次にグループディスカッションです。ここが一番重要だと考えています。いろいろな地域の人たちが、それぞれの地域のペットの防災事情について意見を交換し合うことで、防災に対する知識、考えを深めていきます。
そして最後に今日、一日で学んだことを総括してからテストを受けてもらいます。そして合格した方には、ペット防災指導員というライセンスを授与します。
ただし、肩書だけに使ってもらうのではなく、認定した防災意識の高い方々を半年に一回、一年に一回、できれば四カ月に一回、任意で集まってもらおうと思っています。そこでまたグループディスカッションを行ったり、トレ―ナーを呼んで、平時のトレーニング、避難所で必要なハウストレーニング、心肺蘇生法、ストレス解消の方法を学んだり、継続的により深い知識を身に着けてもらっていけるようにする予定です。
インタビューは今回で終わりです。このままではダメなことは確かです。あとはいつ改善に向けて動くのかということです。ぜひ、一度防災について意識を向けられてはいかがでしょうか。
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