ワンズマガジン

トリミング2


 前回に引き続きトータルペットケアの株式会社マインズの堀川寛子さんと青山京子さんにプロのトリマーのメリットについて話を伺いました。

トリミングで気がつくワンコの病気

 ブラッシングしてもらうのは好きだけど、シャワーやトリミングは嫌いというのが、ワンコの本音だといいます。まして飼い主が慣れない手つきでトリミングすると、そのストレスは半端なく、嫌がって暴れたりします。実はブラッシングはワンコの健康状態をチェックする絶好のチャンスです。病気の予兆を見逃さないためにも、トリミングは定期的にプロに任せるのがいいでしょう。

 プロのトリマーはただブラッシングやトリミングをしているのではないのです。実はワンコの皮膚は私たちの想像する以上に繊細で、季節やストレス、老化、内臓疾病などが原因で皮膚炎を発症するといわれています。プロはワンコに触れながら目や鼻、舌の状態、毛の下に隠れている皮膚の状態までチェックしています。とりわけ、定期的にトリミングしているワンコの皮膚の状態は、ブラッシング時の毛の艶やフケの具合で分かってしまうといいますから、やはり餅は餅屋、プロが安心ということになります。

 皮膚炎を発症したワンコをケアする場合、シャンプーを使い分けるのはもちろんのこと、シャワーの温度や水圧などにも注意を払う必要があります。また、老犬のように代謝の衰えから発症する皮膚炎の場合は、ぬるま湯で洗って、冷風ですばやく乾かす必要があるといいます。ワンコの皮膚炎は、重篤に至る場合が多いというので、発症したら、速やかに病院に連れていきましょう。

 また、皮膚炎だけでなく腫瘍またはイボの発見もプロならではだそうです。老犬になると代謝が衰え、イボができやすい体質になるといわれています。ワンコのイボは悪性腫瘍という場合も少なくなく、また、イボを気にしてなめたり、かいたりして皮膚炎になることもあり、さらに、他のワンコやペットに感染する恐れもあります。トリミングを依頼する際に、トリマーに皮膚やイボの状態をチェックして欲しいと一言いっておけば安心ですね。

ドライヤー

 ドライヤーもまたプロとアマの差が大きいといいます。プロは業務用の熱風の強いものを使うので、毛をすばやく乾かすことができ、さらに、セットもきっちりと整えられるそうです。素人がドライヤーをかけるとワンコの顔や皮膚に熱が当たり、目の乾燥や皮膚炎を発症する恐れがあります。特に目の乾燥は眼球を傷つけてしまう危険性もあるといいますので一層の注意が必要といえます。

 また、老犬はトリミングやシャンプー中に体調を悪化させ、最悪、死に至ることもあるといいます。実際、そんな事故に関わりたくないと、老犬をお断りしているペットサロンも少なくないそうです。プロが嫌がるくらいですから素人には老犬シャンプーは荷が重い仕事になるでしょう。ここはリスク回避のためにも獣医院と併設されているお店でトリミングしてもらうのがいいでしょう。

 堀川さんと青山さんの勤めるマインズではワンコの健康手帳に皮膚や目、耳の様子などを書き込んで、飼い主にワンコの状態を伝え、自宅でも様子を見るように促しているそうです。ペットは言葉がしゃべれない分、それぞれの専門家に様子を見てもらうのが大切といえます。また、現在服用している薬などがあれば、その情報をトリマーに伝えるようにしましょう。

 湿気と紫外線で肌を傷める夏が来る前に、さっぱりとトリミングして、ワンコに快適な夏を過ごさせてやってください。


堀川寛子さん
株式会社マインズ 代表取締役
経験年数21年
モットー
飼主様もスタッフも笑顔に溢れるトリミングを目指しています。

青山京子さん
株式会社マインズ 取締役
経験年数20年
モットー
優しく、丁寧なトリミングはもちろん 、お客様もわんちゃんも喜んで来店してくれるお店を目指しています。


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